スピーキング力とは?英語能力を効率よくあげる方法を解説

よく英語が得意だとか不得意だとか言う話がありますが、これは漠然とした表現で、実際はことばの4つの能力、すなわちスピーキング・リスニング・リーディング・ライティングのどれが得意でどれが不得意かを明確にしないと、本当に望んでいる能力を身につけることはできません。

今回は、英語能力を効率よくあげる方法として、スピーキング力に注目していきます。

英語のスピーキングとは?

英語のスピーキングとは英語を話すことで、英語を口から出して音声で表現することを指します。

英語のスピーキング力の習得は、多くの場面で重要な役割を果たします。

スピーキング力は、例えばビジネスや学術プレゼンテーション、面接、交渉、および一般的なコミュニケーションなど、さまざまな場面で必要とされるスキルです。

スピーキング力は、語学力だけでなく、自信や表現力などの要素にも関係しています。

英語のスピーキングには、正しい文法や、アクセント、リズムなどが必要です。

また、自分の考えや意見を明確に伝えるためには、適切な表現や語彙力も重要な要素になります。

英語を習得するために必要な4つの能力

世界のどの言語であっても、ことばの能力には4つの分野があります。

それは、リーディング、ライティング、リスニング(ヒアリング)そしてスピーキングです。

英語を習得する上で、学習方法を誤ると4つの能力の習得度合に大きな差がついてしまいます。

一方で賢い学び方をすると、同じ学習エネルギーで4つの能力全てがバランス良く身に付く可能性が高くなります。

英語を習得するための賢い学び方とは簡単に言えば「大は小を兼ねる」という学び方です。

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カートで示された4つ能力

英語能力向上のヒントは、こどもがことばを覚える順序にある

人は生まれた後、まずリスニングとスピーキングの能力を身に付けることになります。

英語が話されている環境に育てば、自然に無意識的にこの2つの能力が高まって行きます。

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そして幼稚園以降は、リーディングとライティングの脳力を習得し始め、小学校高学年ころにはそのことばが母国語として脳内に定着します。

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人は9才までは、ことばを自然に又無意識的に習得して行きますが、10才以降、特に13才以降は、外国語を自然に又無意識的に習得することが困難になるため、意識的な学習が重要になって来ます。

その時に考えなければならないのは、4つの能力のうちどれを学ぶか、ということです。

このことを言い換えると「大は小を兼ねる」学び方と、「小は大を兼ねない」学び方がある、ということになります。

皮肉なことに、どちらも同じ努力、同じエネルギーを必要としているのです。

リーディング中心の学びは英語能力を効率よくあげられる?

現在の日本の学校では、ALT(ネイティブの語学講師)を使って、英語が使える子供を育てる方向に向いていますが、まだまだ教科書の英語を読み、その意味を理解するという勉強が中心となっているのが現状です。

リーディング中心の学び自体はとても大切で、大きな価値があります。

学校の英語のテストも入試英語も英検もTOEICもそしてTOEFLも、その大半はリーディング力を試すテストです。

一方で、リーディングは誰かが書いた英語を理解する能力で、自ら英文を書く必要がないので、ライティングの能力を身に付けることはできません。

また、リーディングには音声が伴わないので、リスニング力も習得できません。

ましてやスピーキング力ともまったく無縁となってしまいます。

リーディング中心の学びでは、ライティング・リスニング・スピーキングは置き去りにされてしまうのです。

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著名な翻訳家(リーディングの達人)が、訳した本の著者が来日した時、得意のはずの言語では対談が出来ないので通訳を使うという話は、決して珍しくありません。

翻訳家の何%かは、言語能力が極端にリーディングに偏っていて、他の3つの能力に乏しい、ということがよくあります。

なぜなら読んで日本語に訳すのが彼らの仕事だからです。

ライティング中心の学びは英語能力を効率よくあげられる?

リーディングは、誰かが書いた英文を理解する受動的能力ですが、ライティングは自ら英作する必要があるので、能動的能力となります。

だれでも英文を正しく書くことが出来るけれど、自分が書ける英文を読んだ時にはその意味が分からないということはあり得ません。

すなわち、書ける英語は読める英語ということになります。

ただ、ライティングの場合も音声が伴いません。

音声抜きの学習では、リスニングやスピーキングの能力が身に付くことはできません。

ライティング中心の学びをした場合、リーディング能力は一緒に高まって行きますが、リスニングやスピーキングは置き去りとなってしまいます。

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この実例として、ある秀才日本人の話があります。

彼はハーバード大学・大学院を卒業しましたが、全ての論文をパスしていることから彼の英語力が非常に高いことがわかります。

でも、彼は英語を話すのが得意ではありませんでした。

それは、英語の能力がライティングに偏っていたためです。

リスニング中心の学びは英語能力を効率よくあげられる?

日本人が英会話を学ぶ時、リスニング中心になる傾向があります。

ネイティブの先生が会話をリードし、学生はほとんどの時間をその意味を理解するために費やすのです。

意味が良くわからなかった時は、先生が別の表現を使ったり、もっと単純な英語に言い換えたりしますが、その場合でも先生がしゃべり、学生が聞くという役割分担になっていることが多くなります。

このような練習は、会話を学んでいるつもりでも、実はリスニング中心の学びになっています。

リスニングはだれかが言った英語の意味を理解するという受動的な能力なので、自ら英文を作り出して音声化するという能動的なスピーキング力とは全く異なります。

リスニング中心の学びでは、スピーキングとライティングが置き去りになってしまいます。

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私がアメリカの会社に勤めていた時、チェコから亡命してきた化学者の息子が夏休みにアルバイトに来たことがありました。

彼はアメリカで生まれ育ったので、英語が母国語でした。

でも、家では毎日両親がチェコ語で話すので、チェコ語は100%理解出来ると彼は言いました。

それで私が「ではHow are you? をチェコ語で何て言いますか?」と尋ねた所、聞けば理解できるが、自分からは言うことが出来ないという返事が返って来ました。

彼はチェコ語に関してはリスニング力100%でスピーキング力が0%だったのです。

彼のような人は珍しくありません。

特に海外に住んでいる子供達は、現地のことばが母国語になり、両親の話すことばは聞くだけなので、理解出来ても上手に話すことが出来ないというケースが多々あります。

このことからも、聞き流すだけである日突然英語が話せるようになることなどあり得ないことがよくわかります。

スピーキング中心の学びが英語能力を効率よくあげる

スピーキング力とは、自ら瞬時に英作し音声化する能動的能力なので、他の3つの能力をカバーすることができます。

なぜなら、自分が言える英語を聞いた時には理解できないということはあり得ないし、言える英語を書くことが出来ず、読むことも出来ないこともあり得ないからです(識字力が備わっている場合)。

それで、スピーキング力中心の学びをして英語の能力を高めて行くと、スピーキング力の向上に伴いリーディング力・ライティング力・リスニング力も伸びて行くのです。

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YouCanSpeak はスピーキングに特化した学習システムです。

まじめに学ぶとリーディング力・ライティング力・リスニング力もアップするので、TOEIC、英検、入試英語の点数がおもしろいように上がって行くという報告が、多く寄せられています。

つまり、スピーキング力学習は英語万能薬なので、「大は小を兼ねる」ことになるのです。

この記事の監修・執筆者
英語スピーキング教材YouCanSpeak、英語リスニング教材YouCanListen開発者
同時両方向通訳者/ 同時通訳セミナー講師。文学博士。NHK ラジオ・TV「Dr. Kinoshitaのおもしろ英語塾」教授等、各メディアで活躍
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